近年、生成AIの進化は目覚ましく、Stability Matrixなどのローカル環境での利用も広がっています。しかし、快適に生成AIを動作させるには、適切なPCスペックが不可欠です。
本記事では、ローカル生成AI PCの推奨スペックを徹底解説し、快適な生成AI環境構築をサポートします
1. 生成AI PCの重要スペック
生成AIの処理は、主にGPUとCPU、メモリによって行われます。それぞれの役割と重要性を解説します。
数字上のスペックだけではなく、実体験に基づいた主観的な意見が含まれます。
お役に立てたら幸いです。
- GPU:生成AIの要
- 生成AIの計算処理を担うGPUが特に重要です。
NVidiaのRTX 4070Ti SUPER以上、要するに16GB以上のRAMが搭載されたモデルが推奨されます。
予算が許す限り、RTX 5090など上位モデルを選ぶことで、より高速な処理が期待できます。 - 特にLoRA作成などでRAMが16GB以上要求されるシーンが多く、具体的に実用性のあるグラボとしては
RTX5090→RTX4090→RTX3090→RTX5070Ti→RTX4080(SUPER含む)→RTX4070Ti SUPER→RTX3060(12GBモデル)
といった感じになるかと思います。 - 現状だと各グラボの入手難易度がかなり高いですが、この記事を書いている3/21現在だと、RTX5070Ti(16GB)はメーカーを選ばなければそこそこ買えるようになってきています。
2機種3000番台を含めましたが、3090は中古のみ入手可(若干リスクあるが現状一番安く24GB構成を組めるのはメリット)、3060(12GB)についてはコスパを考えると検討する価値あり、といったところです。
4000番台の入手性が悪く、中古でも高止まりしてるので無理して買う必要はないかと思います。
リスクを背負えるなら個人輸入もあり。そちらの方が在庫はある。 - PC全体の総予算にもよりますが、40万前後なら5070Ti一択になってくるかと思います。
RTX5080を含めなかったのはコスパの悪さとスペックの微妙さです。
ゲーム性能等では5070Tiを若干上回りますが、RAM容量は同じ16GBなので現行のゲームをプレイするにも、生成AIで使用するにも中途半端感が否めない(RAMが24GBだったら相当需要があったと思います(Tiモデル来る?) - 既にPCを持っていてグラボを入れ替えるのであれば個人的には3090(中古)か5070Tiだと15万前後でそれなりの環境になるのでそれも手段の一つだと思います。
- AMDのRADEONシリーズは生成AIの環境が今一つ整いきっていないため現状は非推奨です。
- 生成AIの計算処理を担うGPUが特に重要です。
- CPU:実は重要!バランスの取れた選択を
- 巷では「生成AIにCPUスペックは不要」と言われることもありますが、実際はそうではありません。特に、大規模言語モデルの処理や、生成AIと他のアプリケーションを同時に使用する場合など、CPUの性能も重要になります。
- AMD Ryzen 7 9700XからRyzen 9 9950X3D等の高性能CPUを選びましょう。
現状IntelCPUを選ぶメリットは特に存在しないです。 - ゲームをよくプレイするなら9800X3D一択、あとは予算次第で上げ下げですが、個人的には9900X以上(X3D含む)を選んでおいた方が後悔しないと思います(今から買うなら7000番台以下は辞めましょう)
- メモリ:デュアルチャネルで大容量を
- メモリは、生成AIの処理データを一時的に保存する場所です。64GB以上の大容量メモリを、デュアルチャネルで搭載することで、より安定した動作が期待できます。
- DDR5、6000MHZ以上で、32GB2枚or48GB2枚セットのタイミングの早い物がおすすめです。
2. 予算別推奨構成
予算に合わせて、最適な生成AI PC構成を紹介します。
自作前提ですが、今ならBTOでも最上位以外は近い価格感でオーダー出来ると思います。
ただ、5090を希望する場合、高めのブランドしかBTOに無い場合が多く(大半が選択も出来ない)、そこだけでも20万円くらい差が付く可能性が高いです(5090はブランドやスペックによって45万円~70万円と値幅が広い)
出せる人は100万出してBTOの最上位買えばいいです(入手も楽)
BTOだと個人的オススメスペックは40万円付近の9800X3D、5070Ti搭載モデルです。
これ買えばゲームも生成AIも楽しめます。
- 予算80万円前後:ハイエンド構成
- CPU:Ryzen 9 9950X3D
- GPU:RTX 5090
- メモリ:64GB(32GB×2)
- ストレージ:M.2 NVMe SSD 2TB(サブに4TB)
- 電源:1000W~1200W
- 予算40万円前後:ミドル~ハイミドルレンジ構成
- CPU:Ryzen 7 9700X~9800X3D
- GPU:RTX 4070Ti SUPER~RTX 5070Ti
- メモリ:64GB(32GB×2)
- ストレージ:M.2 NVMe SSD 2TB
- 電源:850W~1000W
- 予算20万円~:エントリー構成
- CPU:Ryzen 7 9700X
- GPU:RTX 3060(12GB)
- メモリ:32GB(16GBx2)
- ストレージ:M.2 NVMe SSD 1TB
- 電源:750W
3. 生成AI PC選びの注意点
- 電源ユニット:高出力モデルを選ぶ
- 高性能なGPUやCPUを搭載する場合、電源ユニットも高出力なモデルが必要です。
将来的な拡張等も考慮するなら850W~1000Wをおすすめします。
1000Wにしておけば現行最上位モデルの5090も載せられます。
- 高性能なGPUやCPUを搭載する場合、電源ユニットも高出力なモデルが必要です。
- 冷却性能:適切な冷却システムを
- 生成AIの処理は高負荷になるため、CPUクーラーやケースファンなど、適切な冷却システムを構築しましょう。
- CPU単体やGPU単体では足りていてもエアフローの問題などもあるので、出来るだけケースはゆとりあるサイズ、CPUクーラーは簡易水冷(360mm)をおすすめします。
経験上ケースやクーラーを交換する人は稀なので最初にそれなりの物を選んだ方がよいです。
- ストレージ:高速SSDを選ぶ
- OSや生成AI関連のソフトは高速なSSDにインストールしましょう。
無難にGen4の高速タイプを選んでおけばよいです。
- OSや生成AI関連のソフトは高速なSSDにインストールしましょう。
4. まとめ
ローカル環境での生成AI利用には、適切なPCスペックが不可欠です。
本記事を参考に、予算と用途に合った最適な生成AI PCを選び、快適な生成AI環境を構築してください。
あと余計なお世話かもですが、せっかく高性能なPCを入手するのならゲームもして遊びましょう。
コンソール(PS5やSwitch)でやるのとは違う次元の高い環境で遊ぶことが出来るのもPCで遊ぶ魅力のひとつです。
オススメ構成のPCであれば話題のモンハンワイルズも快適にプレイ出来るでしょう。
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